ファクタリングは金銭のやり取りが発生するサービスです。では、それを行っているファクタリング会社は貸金業者になるのでしょうか。
ここでは、ファクタリングと貸金業法の関係性について深く掘り下げていきます。
貸金業とは、「金銭の貸付けまたは金銭の貸借の媒介(手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法によってする金銭の交付または当該方法によってする金銭の授受の媒介を含む)で業として行うもの」と貸金業法で定められています。(貸金業法2条)
大まかに分けると下記のような業務を取り扱う業種のことを、貸金業といいます。
- 金銭の貸付け
- 金銭の貸借の媒介
消費者金融業者、事業者金融業者(商工ローン会社、手形割引業者など)クレジットカードによるキャッシングなどが一般的に金銭の貸付けを業とする業種で知られています。
金銭の貸借の媒介とは、わかりやすく言うと勧誘行為や商品説明、契約においての条件交渉を行うことを業としている業種です。
これらの業種を営むには貸金業法に則り、貸金業の登録を国、もしくは都道府県に届出をしなければいけません。登録をしなければ無登録貸金業者となり、刑罰の対象となります。
ファクタリングは資金調達方法の一つであり、確実に資金の回収ができるように未回収の売掛債権に保険を掛けることや、ファクタリング会社に売却・譲渡をして早期に売掛金を資金化する、というサービスです。
ファクタリング会社が行う業務は貸金業にあたりません。金融庁のホームページから引用します。
「ファクタリング」とは、一般に、企業が取引先に対し有する売掛債権をファクタリング会社が買い取り、買い取った債権の管理・回収を自ら行う金融業務をいいます。
このようなファクタリングの法定性質は、売買契約に基づく指名債権の譲渡であり、金銭の貸し借りではないので、貸金業の登録は必要ありません。
出典:金融サービス利用者相談室 : 金融庁
金融庁から明言されている通り、ファクタリングは金銭の貸し借りにあたらないため、貸金業法の影響を受けません。
資金調達方法は数あれど、近年ファクタリングの需要が高まってきています。
その理由の一つとして、日本では一般的に掛け取引・信用取引が行われていることにあります。先にサービス・商品を提供し、期間を置いてから代金を受け取るという掛け取引が多い日本では、支払いを受けるまでのタイムラグが生じてしまいます。そのタイムラグにより、中小企業や個人事業は特に資金繰りが圧迫されがちの傾向にあります。
そのため、先に売掛金を手にすることでキャッシュフローの改善に繋げるなどといった利用の仕方や、急な仕事の受注や機材の故障などで資金が間に合わない時などに利用されています。
ファクタリングは直近に資金が必要な経営者からの利用が大多数を占めています。ファクタリングは最短で即日に資金化ができるという利便性が非常に大きいですが、反面で融資より高めに設定された手数料などといったデメリットも持っています。利用を考えた時はまず、経営状況の見直しをしてみましょう。